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2010年11月29日 (月)

落ち葉 その2

***

  秋      R.M.リルケ(オーストリア)

木の葉が落ちる 落ちる 遠くからのように
大空の遠い園生が枯れたように
木の葉は否定の身ぶりで落ちる

そして夜々には 重たい地球が
あらゆる星の群から 寂寥のなかへ落ちる

われわれはみんな落ちる この手も落ちる
ほかをごらん 落下はすべてにあるのだ

けれども ただひとり この落下を
限りなくやさしく その両手に支えている者がある

『リルケ詩集 富士川英郎訳 (新潮文庫)』より

***

「落下はすべてにある」――自分のこれまでの人生を振り返ってみてもやはり落下は何度もあった。そして、これから先、生きようとするなかでまた何度となく繰り返されていくのであろう。

落下を避けることはできない。決して、決して、避けることができないものなのだ。

だけど――

「ただひとりこの落下を 限りなくやさしく その両手に支えている者がある」。

受けとめてくれる存在。

ただひとりでもそういうひとがいればいい。
自分を受けとめてくれるひとがいる、というただひとつの実感を胸に抱きしめていられれば、生きてゆけるのだと思う。

重力に逆らえず落下を繰り返してしまうこの地球(それさえも落下するのだけれど)の上であっても――。

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