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2010年12月29日 (水)

さようなら2010年

今年もいよいよあと2日(+本日の残り時間)。

***

 さようなら一万年  草野心平

闇のなかに。
ガラスの高い塔がたち。
螺旋ガラスの塔がたち。
その気もとおくなる尖頂に。
蛙がひとり。
片脚でたち。
宇宙のむこうを眺めている。

   読者諸君もこの尖頂まで登って下さい。

いま上天は夜明けにちかく。
東はさびしいNile blue で。
ああ さようなら一万年 の。
楽譜のおたまじゃくしの群が一列。
しずかに。
しずかに。
動いている。
しずかに。
しずかに。
動いている。

   「さようなら一万年」はカルピによって作曲された最も一般的なエレジーである。

『草野心平詩集』 ハルキ文庫 より

***

ガラスの高い塔の上。その気もとおくなる尖頂に、私は登った。
そうして、2010年を眺めてみる。

「さようなら2010年」のメロディーとともに、はるか遠い地上のうえで、小さな私が、しずかに、しずかに、動いているのが見える。

その私は、笑っている。嬉しそうにしている。泣いている。怒っている。苦しんでいる。
闇のなかに、透明で壊れてしまいそうな螺旋ガラスの上に、片脚でたつ私は思わずバランスを崩してしまいそうになる。

毎年必ず言ってしまう決まり文句だけど、本当に、今年もいろんなことがあった。

塔の頂にたつ私は、ふと思った。頂、についてである。「頂」――そうだ。今年も私は、ひとからたくさんのものを頂いたものだなあ、と。目に見えるものも。目には見えないものも。

ひととのつながりから頂いた、思いがけないチャンス。
ちょっぴり苦しくなってしまったときに頂いたやさしい言葉。
夢に向かって進もうとする私を支えてくれた励ましの言葉。
特別なものではないけれど一番大切にしたい、日々のやりとりのなかで頂くたくさんのあたたかい気持ち。

むき出しの心は傷つきやすいものだけれど、人から頂いたものたちにくるまれてしっかりと守られてきた。そういうたくさんの頂き物に囲まれて、私は無事、2010年を乗り越えることができた。
私を支えてくださったたくさんのひとたちには、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に、ありがとうございました。

塔の上で、小さな小さな自分自身を眺めながら、しずかに、しずかに、年を越したいと思う。2010年にさようなら、とは言っても、2010年が消えてしまうわけではない。そもそも人生は「私」というひとつづきの物語で、ただただ都合のいいように、一年ごとに区切ってあるだけなのだから。いま過ごしている「今年」が、もうすぐ「昨年」と呼ばれるようになるけれど、そんなことはあまり考えない。ひとつづきの自分を眺めながら、また一日一日、一歩一歩を踏み出していけたらいいなと思います。

それでは、都会さようなら。数日間ふるさとで過ごします。

よいお年を!

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