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2010年12月27日 (月)

とっておきを君に。

メリークリスマス! 

「って、遅いじゃないか!」 

・・・だって、私たちのクリスマスはつい昨日のことだったのだよ。

...

クリスマスとお互いの誕生日、年に2回の特別な日に私たちは本を贈り合う。知り合った学生時代からもうずっと続いていることで、今年は14年目だ。1回につきだいだい2冊だから、これまでに50冊以上の本を贈り合っていることになる。

本を贈り合おうよ、とはっきり決めた覚えはないのだが、いまはもう欠かせない恒例行事。

ところで、彼女はとにかく本が好きだ。「もう活字から離れられなくって。トイレに行くほんのひとときでも活字がないと不安になっちゃって、どうしよう」なんて言ってたことも。もちろん彼女の部屋は本であふれている。

そんな彼女に本を贈るというのだから、私の本選びには、本に(まことに)気合いが必要だ。品揃えや提案のしかたがほかとはちょっと違うお店や、小さいけれどこだわりの絵本ショップを発掘してはどこまでも足を運ぶ。
これこそが、とても楽しい。彼女のツボを刺激しそうな1冊を見つけたときには、もう、渡すのが楽しみで仕方なくなるのだ。

彼女から贈られる本はもちろんとびきり素敵なものばかり。それは、彼女がすごくたくさんの本を読んでいるということがまず最初にある。絵本、小説、文庫本、漫画、エッセイ、写真集、実用書・・・心穏やかにさせてくれるもの、笑っちゃうもの。消しゴムハンコや手ぬぐいなど、なにかに夢中にさせてくれるもの。

でもやっぱりね、彼女が私に、選んでくれる、ということなのだ。手袋やマフラーなどのプレゼントとはちょっと違う。本って、選ぶ人の心にも相手の心にももぐり込んでいくもの。相手の心に似合うものを選びたいって思う。

「今年も、私のとっておきを贈ります」 ある時、本と一緒に手紙が添えられていた。彼女には、とっておきの作家さんが何人かいるらしい。その作家さんを、本を贈ることで私にすこ~しずつ教えてくれているのだ。
でも一番のとっておきは、自分だけのものってことらしい。そういうの、あるよね。自分だけの中でキラキラしているもの。人に教えちゃうとなにかが変わってしまいそうで、もったいなくて。
けれど、涙をのんで、ギリギリのところを私に教えてくれてるのがとびきり嬉しいのだ。

もちろん、

「君のとっておきは、私のとっておき」

なんて言葉は私たちには似合わないから決して言わないけど、そうかと思われる事件があるとき起こったね。

あるクリスマス、お互いにわくわくしながら包みを開けていく――。先に声をあげたのは私だった。笑った。「いいから早く見てみ!」――次の瞬間、彼女も思い切り、笑った。

お互い手に持った本を見せ合うと・・・それは、まったく同じ本! (梅佳代写真集『うめめ』という本でした)

昨日もまたとびきりの本を贈り合い(お互いに、自分が選んだ本には自信満々なのです!)、素敵なクリスマスのひとときを過ごすことができた。

たとえば80歳まで続いたら、このさきまだ200冊もの本を贈り合えることになる。わくわく。嬉しいね!

「これからも、ずっと友達でいようね」

なんて言葉は私たちには似合わないし、こんなこと言ったら逆に君は逃げていくだろうから言わないけど、まあお互い元気に生きている限り、こうして本を贈り合っていけたらいいものだね。

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コメント

14年目!!
改めて数字にされるとちょっとびっくりしちゃうね。14年目かぁ。もうそんなにたつか。
でもあっというま、とか、もっと短く感じるということはないなぁ。確かにその年月が、積み重ねが、君との日々にはあったと納得するよ。
それにしても改めて私のことよく分かってるなぁとしばし呆然としてしまったさ。
うむ。涙をのんでギリギリのところで私のとっておきをわけてきたつもり。ほんとは独り占めしたいものばかりなんだからね!!でも14年目となるとかなりの部分を明け渡してることになるのかも。
でもこれからまだまだきっととっておきは増えていくのだろうと思うよ。
(君からもらったものにもとっておきのとっておきをみつけてしまうしね。)
それこそきりがなく際限なく。だから80歳までどんとこい。200冊じゃ足りないかもね。
わくわくするね。

投稿: あわ子 | 2010年12月28日 (火) 21時11分

あわ子さん、ありがとう。

本当に、80歳までどんとこい! だね。

「とっておき」っていう言葉、何度も使うと使い古されてしまいそうなものなのに、
君とのプレゼント交換では、そうはならないんだよね。
毎回確実に、とっておきのものなのに。なんでかな。

でもこれからもまだまだとっておきは増えていく。うん、きっとそう。
80歳になったころ、一体なにを贈り合ってるのかなぁ。

そのときそのときの君にぴったりのとっておきを、これからも探し続けたいなと思うよ。
そして、これからも君のとっておきを、どうか惜しむことなく(笑)、わけてくださいね。


投稿: どんぐり | 2010年12月29日 (水) 14時07分

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