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2010年12月18日 (土)

にぎやかであり、さみしくもあり。

昨日は職場の仲間たちとスペイン料理のお店に行った。ささやかな忘年会である。店に入ると、大きなテーブル席で忘年会(たぶん)をするサラリーマン集団などですでににぎわっている。豆の煮込み、鶏レバーのパテ、パエリア、コカ(スペインのピザ。もちもちでとてもおいしかった)、イベリコ豚の串焼き・・・ほかにもいろいろ。スペイン料理は色もカラフルでにぎやか。特にパエリアなんかはムール貝やエビやイカで飾りつけられててとても華やかだ。それをおいしくいただきながら、思う存分おしゃべりを楽しんだ。

外に出ると、「あっ!」 目の前の東京タワーにかわいらしいハートマークが浮かび上がっている。 さっきまで通常のオレンジ色だったのに、店で食事をしている間にクリスマス用に着替えをしてくれたみたい。

今の時期、街はとてもにぎやかだ。クリスマスのイルミネーションがきらめき、お店に行けば、クリスマスソングが流れ、どこもかしこも赤と緑で彩られている。そして夜には忘年会でさらに活気づいていく。そんな街の雰囲気は大好き。ウキウキする。

でもなぜだか、そんなにぎやかさのなかで、ふっとさみしさを感じてしまうことがある。私には、にぎやかさの裏にさみしさが隠れている気がしてならない。表がにぎやかであればあるほど、きらびやかであればあるほど、裏のさみしさは大きくなる。
そして、そのにぎやかな場所から離れてひとりになったとき、そのさみしさは決定的となる。もう逃げも隠れもせず、私の目の前に堂々と姿を現すのだ。

仕方がないよ。外はあまりにもにぎやかすぎたんだ。それに、寒すぎるんだもの。吹きさらしにされていた心を毛布でしっかりとくるんでやらなきゃダメだよ。

***

 デンシンバシラのうた   草野心平

そんなときには。いいか。
デンシンバシラとしゃべるんだ。

稲妻が内部をかけめぐり。
丸い蜜柑がのけぞりかえる。
そんな事態になったなら。
白ちゃけて。唸るようにさびしくなったら。
人じゃない。相棒になるのは。
夜中の三時のデンシンバシラだ。

デンシンバシラはゆすっても。
デンシンバシラは動かない。
手のない。指のない。見えない腕で。
デンシンバシラは。しかし。
お前を抱くだろう。

ありっこない。そんなことが。
そんなことの方がまだあるんだ。

ちぐはぐで。ガンジガラメで。
遠吠えしてもまにあわない。
そんなときには。霙(みぞれ)にぬれて。
夜中の三時のデンシンバシラだ。

『草野心平詩集 ハルキ文庫 より』

***

にぎやかさとさみしさの狭間で自分の心をなんとかやりくりしていこう。デンシンバシラとしゃべるんだ。私にはデンシンバシラがいる。

・・・なんだかさみしいばかりみたいに書いてしまったけれど、まだまだにぎやか楽しみなことがちゃんと待ってくれている。姉と母と、それから友人へのクリスマスプレゼントもちゃんと準備したし、年末の帰省に向けて切符もしっかり買ったし、あとは、新年に向けてのいろいろな準備だって楽しみ。大掃除とか、年賀状とか、やらなきゃいけない作業とか、それから一年間でごしゃごしゃになっている心もしっかり整理しておかなくちゃ。

 

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