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2011年1月15日 (土)

もっともっとおいしくなれる

最近、歩いて5分もかからない近所の八百屋さんによく行くようになった。ご夫婦で切り盛りしていらっしゃる小さなお店で、日によって、おじちゃんかおばちゃんのどちらかが店番をしている。

今日はおばちゃんだった。大根まるごと1本、かぼちゃ1/4切、ねぎ1束を抱えた私を「はい、ありがとうね~」とやさしく迎えてくれ、小さなレジを打ち品物を袋に入れてくれる。
それがおじちゃんの場合は、「はいっ、ありがと~! レシート入れとくよ~!」という感じ。とっても威勢がいい。

そんなおじちゃんの元気っぷりをそのままあらわしているのが、この店の品物である野菜やくだものたちだ。大根も白菜もほうれん草も、みかんもバナナも干し柿もりんごもみんな、生き生きと輝いている。「ねえ、採れたてのぼく、おいしそうでしょ?」「わたしだって、甘くておいしいんだから! ぜひ食べてみて!」なんて声が聞こえてきそうだ。

そんな彼らには、お手製のプライスカードがそれぞれ取り付けてある。

「うまいよ! 100円」「甘いよ! 280円」「ポクポク かぼちゃ 98円」 「味よいバナナ 80円」「中身で勝負! 50円」 ・・・などと、B5サイズの黄色い紙に、赤いマジックで走り書きしてある。字の勢いからすると、おそらくおじちゃん製であろう。

そうか! 野菜たちがこんなに輝いているのは、このプライスカードのせいなのだ。どの子も本当に生き生きと、おいしそうな姿に見えてくる。(実際、新鮮でとてもおいしい)。その店には、スーパーで売っているお菓子や調味料なんかも少しだけ並べてあって、そこにもやはり、「うまい! カリントー」などど書いてあった。それを見ると、普段スーパーで見向きもしないものでも、つい買ってみたくなるほど心惹かれてしまう。

この子たちはきっと、おじちゃんに生かされているんだ、と思う。野菜やくだもの、ひとつひとつのいいところを見つけてほめてやり、大事に大事に店頭に並べてやる。おじちゃんとおばちゃんの毎朝のそんな光景が私の頭に浮かんでくる。だからこそ、野菜やくだものたちは、こんなにうれしそうなのだ。おじちゃん、おばちゃんと同じ素敵な笑顔で、私たちを待っていてくれるのだ。そして何よりも、彼らはとってもおいしい!  

ほめられるほどに、もっともっとおいしくなれる。それは、人間だってそう。よくないところを指摘されてそこを直すってことも当然大事なことだけれど、いいところを認められて、それが嬉しくて自信になってますます頑張るうちに、その人のよさがもっと引き出されてさらに伸びていくのだと思う。

あのお店で、今度は、どんな子たちに会えるかな♪

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 かぶ   大久保テイ子

はたけって あったかい

はたけって あったかい

と おもっているうちに

かぶはハートのかたちになった

『みえる詩 あそぶ詩 きこえる詩』 はせみつこ編 冨山房 より

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