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2011年4月11日 (月)

桜のしたで

桜は、どうしてこんなに嬉しそうに咲くのだろう。

見つめれば見つめるほど、桜がうふふと笑っているように思えてくる。嬉しくて嬉しくてたまらない。春が来たね、あったかいね、隣のお花と顔を見合せながら、にぎやかにおしゃべりしている声が聞こえてきそうだ。

桜は、どうしてこんなに切なげに咲くのだろう。

見つめれば見つめるほど、なんだか切ない気持ちにさせられて、ほろりと涙がこぼれそうになる。桜たちの、どこまでも純粋な心、美しすぎる心。そういうものにふれたとき、自分の心が洗われると同時に、どこへも持っていきようのない切なさに襲われる。

桜は、どうしてこんなにやさしく咲くのだろう。

満開の桜の樹の下に立つ。桜をひとり占め。花々たちに体をすっぽりとおおわれて、とても心地よい。湯船につかることで体の疲れが癒されるように、花たちのやさしさに包まれて私の心は解きほぐされていく。大丈夫。桜たちがやさしく、やさしく見守っていてくれる。

桜は、どうしてこんなにたくましいのだろう。

いつからそこにいるのだろう。どっしりと構える幹、しっかりとした枝っぷり。そういうものに支えられているから、花たちは思う存分花を咲かせることができるのだな、と思う。やさしいだけじゃない。心の奥底にしっかりとした芯を持っているのだ、と思う。そういうのが、本当のやさしさだ。勇気づけられる。

震災から1カ月。

桜が咲くのをこんなに待ちこがれた年は、これまでにあっただろうか。

これから毎年桜が咲くたびに、この気持ちを思い出すだろう。

これから桜が散り、葉が出て、色づき、落ちて、また季節はめぐるけれど、桜がどんな姿であろうと、桜の樹を見上げるたびに、3月11日のことを思い出すだろう。思い出そう。決して忘れてはならない、その日のことを。

安心して生活できる日が一日でも早くやってきますように。

そして、ひとつでもたくさんの笑顔が生まれますように。

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コメント

ことしも咲きましたね、桜!

こんなことがあってもちゃんと咲いてくれるんだなぁ……、と
わたしもうれしかったです。

やっぱりきれいですね。日本の心ですね。

投稿: jasmine | 2011年4月16日 (土) 09時59分

jasmine さん

そうですね! ちゃんと咲いてくれました。私たちをやさしく見守ってくれているみたいに。

日本の心…しっかりと感じながら、もう少しのあいだ、大事に見上げていたいです。

投稿: どんぐり | 2011年4月16日 (土) 20時26分

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