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2011年5月27日 (金)

指先の小さなトゲ

きのうの昼間、右手親指の指先に、小さなトゲが刺さっていることに気がついた。

なんだか指先がチカチカするなぁ・・・と思ってそのあたりをよく見てみたら、0.01ミリくらいのとてもとても小さな黒い点があることを発見した。押さえてみる。痛っ! 間違いない。確実に、何かが刺さっている。

左手の親指とひとさし指を使って、そのトゲを押し出すように両側からぎゅっとやってみる。ほんの少し皮ふから顔を出してくれるものの、つまみだせるほどではない。

仕事の合間に、帰りの電車で、夜寝る前に・・・何度も挑戦したがうまくいかなかった。

今日も朝から、何度もチャレンジ。でもやっぱりダメだ。

触れなければ痛みを感じないから放っておいてもよさそうなものだけど、一度気になったものはいつまでも気になる。また、トゲを放置していたらあとで悪化して大変なことになったという友人の話も聞いたことがあったため、心配もあった。

よい方法はないものか。周りの人に聞いてみると、「5円玉か50円玉をギューッと押しつけると、ちょっと痛いけどとれます!」というアドバイスを得られた。しかし、私の場合は親指のてっぺんの端っこに刺さっているので、その方法は使えない。

思い切って、看護師さんのところへ行くことにした。幸い、健康診断の施設に勤めているので、いつでも看護師さんと医師に会える。

本当は看護師さんにトゲを抜いてもらいたかった。でも、よく見なければわからないくらいのちっぽけなトゲごときに大騒ぎしているような気がして恥ずかしいから、「とってください」なんて言いにくい(小心者)。まずは、「とげ抜きを貸していただけませんか」と言ってみる。しかし、そういうものはないらしい。代わりにと言って、棚から一番細い注射針を出して私に手渡してくれた。

あぁ、自分で針を刺すなんて怖いよ! 躊躇してしまう。
・・・ちょうどその時、それまで席をはずしていたリーダーの看護師さんが戻って来た。彼女は事態をすばやく把握すると、「それなら、私にまかせな!」というような感じで自分の前に私を座らせた。

いつもはとても厳しい方なのだが、処置をしてくれるときの彼女はやさしかった。「痛かったら言ってね」と、私の緊張をほぐすかのように語りかけながら、痛みがほとんどないように皮の表面でだけ、針を動かしていく。さすがプロのナースさま。体調を崩して病院に行き、そこの看護師さんにやさしくされて泣きそうになることがよくあるけれど、ちょっぴりそんな気分になった。

1分ほどして、彼女の手がふっと私の指を離れた。「さあ、終わったよ」とでも言うかのように、彼女が私の親指と私の目を交互に見た。
「とれたんですね! ありがとうございます」思わず叫ぶ私には目もくれず、「消毒とバンドエイド」 と、彼女は近くにいた別の看護師さんに淡々と指示を出した。

*

私を悩ませていた小さな小さなトゲ。本当に小さなものなのに、それがうまく抜きとれたというだけで、チカチカした嫌な痛みもすっかり解消されて、とてもすっきりした。こんなにすっきりするとは驚きだ。

ほんの小さなトゲであっても、痛いものは痛い。知らないふりをしようと思えば出来てしまうのかもしれないけれど、やはり気になってしまうもの。小さくとも、心の大部分を奪ってしまいかねないもの。

自分でとろうと頑張ってみてもとれなかったら、何度やってもうまくいかなかったら、思い切って周りの人たちにゆだねてみようとすることも必要なのだ。「さあ、私にまかせなさい!」 そう言ってくれるひとが必ずいる。自分では思いつきもしなかったアイデアを出してくれるひとが必ずいる。

その代わりに自分も、いつか、どんな場面でか、私にまかせて! と言えればいい。言えるようになりたい。その人に突き刺さったトゲを無理に引き抜こうとするのではなく、その人が抜いてほしいというようなそぶりを見せたとき、力強く、やさしく、ためらわず、そう言えたらいいなと思う。そういう人になりたい。

 

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