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2011年7月23日 (土)

人を元気にする力(前回のつづき)~どんぐりの場合~

中学時代、私はバレーボール部に所属していた。

運動があまり得意ではない私(なのに無謀にもバレー部を選んだのでした・・・)、エースで活躍するような選手ではもちろんなかった。試合では、自分たちのチームがかなり点差を広げてリードした状態で、「いまなら、どんぐりを少しだけ出させてやっても被害はないだろう」と顧問の先生が判断したときにはじめて出ることができた。

顧問の先生は、市内の大会ではどんなチームでも(もちろん、私たちの代も)必ず優勝に導く、とても技術が高くて熱意のあるお方だった。

その分、練習は厳しかった。ランニング、ダッシュ、腹筋・背筋・腕立てメニュー数セットなどをこなしたあと、コートの中を全力で動き回る練習によってビシバシ鍛えられる。いま考えると、よくあんなことやっていたなぁと思うくらい激しいものだった。いつ逃げ出してもおかしくないくらいだった。

でも、バレーは好きだった。下手くそだけど、好きだった。うまくなりたくて、とにかく練習に励んだ。朝と放課後の部活動時間だけでなく、昼休みもバレー。土曜日も、場合によっては日曜日も、先生が練習試合を組んでくだされば、部活に出る。中学校生活の中心がバレーだった、といえるくらいかもしれない。

*

前回の話に戻るけれど、なでしこJAPANは見事世界一に輝いた。最高だ。それ以上のことはない。やはり、スポーツの世界で目標とすることとは、頂点に立つことだ。優勝、金メダル――それしかない。最近の学校教育では、順位をつけるのはよくないことという考え方もあって、運動会のかけっこで順位をつけないというやり方も聞いたことがあるけれど、そうではないんじゃないかと思う。一番になるために努力することや、一番になったからこそ得られるものが必ずあると思うから。

だから私も、自分たちのチームが一番になるために必死で頑張った。といっても私はほとんど試合に出ないから、アタックを決めたりサービスエースをとったりなど、直接には点数をかせぐことはできない。非レギュラーチームの仲間と一緒に、レギュラーチームが少しでも強くなるように練習を頑張ったりベンチから応援したりすることはできるけれど、「直接」優勝に結び付かせるようなことは、どうしても、できなかったのである。

*

3年生の夏に部活を引退する時、後輩と先生からのメッセージがぎっしり書かれた色紙をもらった。私宛てに、みんなはどんなメッセージを贈ってくれたのだろう。「先輩のスパイク、かっこよかったです」「先輩のミラクルサーブには感動しました」・・・絶対に、そんなことが書いてあるはずがない。みんな、私に対して書くことが見つからず、困ったんじゃないだろうか・・・そんなことを思って、色紙に目を落とすと、そこに書いてあったこととは。

「先輩の、努力する姿を見習いたいと思います」「いつも必死で頑張る先輩の姿が印象的でした」

そして、厳しくもあたたかい、私の大好きな顧問の先生からは、

「人一倍練習熱心。常に努力を怠らない選手だった。体力に恵まれていたらきっと素晴らしい選手になっていたと思う。・・・努力する姿は美しい。努力した者こそ、成功者となれる。それはスポーツの世界に限ったことではない。どんぐりを見ていると、必ず自分の夢や目標を実現させるのだと思うよ。頑張れ!」

と(色紙がそばにあるわけではないのに、好きな文章で何度も繰り返し読んだからとてもよく覚えているのです。ほぼ、これで間違いないはず)。

びっくりした。とにかくいつも必死で頑張っていたけど、周りの人たちが、こんなふうに私を見ていてくれたなんて(まあ、チーム全員頑張っていたけど、私は下手くそだから特に頑張っているように見えたということなのかもしれませんが)。

もちろん、もっともよいのは一番になって輝くこと。それが一番、人を勇気づける。感動させる。誰をも元気にさせる。

でも、どう頑張ってもそれが出来なかった私みたいなヤツの場合でも、必死でやっていれば結果的に何か伝わるものがあったのだと・・・そんな、大発見をしたのでした。前回の記事を書いていて、なでしこJAPANのことを考えていて、スポーツをしていたころの熱い思いが、ふっとよみがえってきたのでした。

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コメント

めちゃめちゃいい話!!
先生のお言葉、涙が出てきます…(;_;)

とにかく努力すること、その姿を見ている人、そして勇気づけられる人は必ずいることを経験から実感しているからこそ、どんぐりさんの強さがあるのですね。
(勝手なブログからのイメージですが^^;)

私そういう経験が一つもなくて、足元が危うくなることも多々…。
どんぐりさんの経験を自分に勝手に置き換えて、信じて進みたいなと思いました。
ありがとうございます!

投稿: くまぼぼ | 2011年7月24日 (日) 23時38分

くまぼぼさん、

素敵なコメント、ありがとうございます!

でもね、えっと・・・、どんぐりは決して強くなどありません・・・。
ぶざまな姿をさらしながら、不器用にもなんとかやっているという感じです。
ただ、不器用でもなんでも、なにかに必死で食らいつくように努力していこうという気持ちは、忘れたくないと思っています。

くまぼぼさんこそ、日々、喜んだり悲しんだり、とびきり元気になったり切なくなったり、自分の気持ちにとても素直に生きていらっしゃって、そういうの、素敵だな、私も大切にしたいなと思っております(こちらも、勝手なブログからのイメージですが 笑)!


投稿: どんぐり | 2011年7月25日 (月) 22時43分

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