« しょうがないしょうがの話 | トップページ | 一歩を道に »

2011年12月15日 (木)

ハンドクリームを買う時に思ったこと

会社帰りに、ドラッグストアに立ち寄った。

レジ係の学生アルバイトさんらしき女の子が、私がかごに入れた商品をピッピッとやっていく途中、ふと手を止めて言った。

「お客さま、肌荒れでお悩みでしょうか」

私のかごにハンドクリームが入っていたのを見つけたのだ。はい、冬は手がカサカサになっちゃって・・・と私が言うと、

「じゃあ、お客さんこれ塗って帰ってください!」

彼女はにっこりとほほ笑みながら、ペンダントみたいに首からさげていたミニサイズのハンドクリームを、私の右手の甲にぶちゅっと絞り出してくれた。どうやら店の売り込み商品らしい。

「これ、1日1回塗るだけでいいんですよ。1本1,300円くらいするけど、3カ月もちます」

へぇ~と、私は両手にクリームを伸ばしてしっかりとなじませていった。なるほど、とてもなめらかだ。

「ほら! 『24時間 うふふ』って書いてあるでしょう?」

ハンドクリームに添えられた小さな広告に書いてあるキャッチコピーをゆびさしながら彼女は言った。「うふふ」と言ったときには、彼女のとびきりの笑顔がこぼれた。

つられて私も笑顔になり、思わず「うふふ」とつぶやいてしまう。

「本当に、『24時間うふふ』になっちゃうかもしれませんよ~! あちらに置いてあるので、ぜひまた見にきてくださいね」

そう言って私を送り出してくれた。わぁ~、ありがとう。

良質のハンドクリームを塗ってもらって嬉しかったこともあるけれど、それプラス何よりも彼女の言葉と笑顔が素敵だった。心がほっこりした。

「これを売り込みなさい」と指導されていることを坦々とこなしているのではない、彼女にしかないキラリと光るものを感じた。そのハンドクリームをまだ買ってもいないのに、本当に24時間うふふになっちゃいそうだった。まるで彼女の魔法にかかったみたいに。

*

ふと、営業の仕事をやっている友人が最近話していたことを思い出した。

(私の理解した言葉になっちゃいますが)、自分自身の営業について、その友人が話していたこと。

自分の会社の商品はとてもいい商品だと思うので、営業としてとても恵まれている。でもそれだけに甘えていてはいけない。

そのお客さまが「しょうがないなぁ~。○○(←友人の名前)がそう言うんだからな、」などというように、「自分だから」という部分で目を向けてくれたときがやっぱりとても嬉しいのだそう。それでも、人柄だけで売るわけでもないのだとも言っていた。

その話をしていたとき、私たちは一緒においしいあじフライを食べていたのだけど、その友人が、そのあじフライを売るべき商品にみたてて、いつもの営業のやりかたを特別にやってみせてくれた。

(その友人の秘密兵器の売り方だと思うのでここには書かないけれど)、思わずすぐにそのあじフライに手が伸びてしまいそうな話しぶりだった。そのほかにもいろいろな例を出して話してくれたのだけど、どれもこれも切れ味のある美しいトーク、というイメージではないんだけど、ひとの心をほこっとさせてあたたかいものがじわじわと広がってくるような、なんかいいなっていう印象を受けた。思わずにっこりほほ笑んでしまうような。

良質の商品に売り手の人柄や思いを添えると、商品はますますいきいきと輝き出す。
じーっとおとなしくしてて動かなかった商品が、楽しそうに踊りだす。ものを言えなかった商品が、途端に饒舌になって自分自身の価値をアピールしはじめる。

友人の話と、きょうの学生アルバイトさんらしき女の子とのやりとりを通して、そんなふうに思った。

売り手によって、その商品のおめかしの仕方も変わってくるのだろう。

きょうのハンドクリームは、うふふと頬をピンク色に染めながら、とびきりの笑顔で私に笑いかけてくれた。次にこのハンドクリームを買うときは、絶対、きょうのレジの彼女から買いたいなぁって思った。

直接ものを売りこむ仕事ではなくとも、どんな仕事であっても、商品+私の「私」という部分を、きょうの女の子や営業の友人みたいに素敵にプラスできるようになりたいなと思った。そうやってますます輝きだした商品をだれかが手に取ってくれて、そのひとに笑顔になってもらえますように。

|
|

« しょうがないしょうがの話 | トップページ | 一歩を道に »

日々のこと」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1423813/43391238

この記事へのトラックバック一覧です: ハンドクリームを買う時に思ったこと:

« しょうがないしょうがの話 | トップページ | 一歩を道に »