翻訳そぞろ歩き

2012年8月11日 (土)

真夏の夜の散歩

月曜日に、「翻訳そぞろ歩き」というものに参加させてもらった。これは、仕事、学習など何らかの形で翻訳にかかわっているひとたちが集まり、ただただおしゃべりしながら一緒に街を歩くという企画である。

翻訳者になることを夢見て学習を続けている私。2009年の秋、実務&出版翻訳者のイワシさんによってはじめられた「翻訳そぞろ歩き」に私はこれまで数回参加させていただいたのだが、そのたびに「また参加したい!」と思わせてくれる、それはそれは素敵な企画なのだ。

今回は、上野駅発、山手線一周企画の第四弾として五反田駅~恵比寿駅を歩きました。

http://arukou-translator.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/86-48dd.html(主催者イワシさんの「翻訳そぞろ歩き」のブログです!)

いつもは土曜日か日曜日の昼間が多いのだけど、今回は月曜日の夜間の開催です。

* 

今日はそぞろ歩きだ♪

そう思うと、憂鬱な月曜日もなんのその。

ところが・・・。なんだか雲行きがあやしい。

次に気づいたときにはもう、ザーザー降りになっていました。

会社の昼休み、激しく降る雨を見つめ雷の音を聞きながら、どうか止みますように! と何度もお願いごとを唱えます。

「この雨は止むよ!」

大好きなそぞろ歩きのことは、以前から仕事仲間にも話していて、「今日はどこを歩くの?」「鎌倉どうだった?」なんて、聞いてくれます。だから、私と一緒に雨が止むことを願ってくれたのでしょう。

「どんぐりさん、ほらね!!」

夕方、窓の外を見てみると、あれほどどしゃ降りだった雨が見事に止んでいました。

真夏の夜の散歩、素敵でした。

五反田を出発して歩く川沿いの道。高いビルや建物の上に見える小さな空が赤く染まっています。ゆっくりゆっくり歩く私たちの歩調と同じように、辺りもゆっくりゆっくりと、静かに暗くなっていきました。

途中、きもだめし? と思ってしまうような暗く細い道の先のお寺に案内していただいたり、あともう少しで目黒駅、というところでは、ひとりじゃくじけそうになってしまいそうな急な坂があらわれたり。
遠くで、オレンジと白で存在をアピールする東京タワーがきれいに見えたり。

こんなふうに、夜の訪れが素敵なものであることを味わうことができたこと。
みなさまと一緒だからできたこと、発見できたことがたくさんあったこと。

通常は満員の山手線に乗って家に帰るところを、電車に乗らず逆方向に歩いたわけなのですが、それによってとても楽しい時間を過ごすことができました。

素敵な真夏の夜でした。

恵比寿に到着し、エスニック料理のお店で乾杯!

今回も、本当にいろいろお世話になりました。

楽しかったです。みなさま、ありがとうございました!

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2012年4月16日 (月)

春雨のメロディーを聞きながら 翻訳そぞろ歩き『夏目大さんとゆく江ノ島~鎌倉編』

先週土曜日に、「翻訳そぞろ歩き」というものに参加させてもらった。これは、仕事、学習など何らかの形で翻訳にかかわっているひとたちが集まり、ただただおしゃべりしながら一緒に街を歩くという企画である。

翻訳者になることを夢見て学習を続けている私。2009年の秋、実務&出版翻訳者のイワシさんによってはじめられた「翻訳そぞろ歩き」に私はこれまで数回参加させていただいたのだが、そのたびに「また参加したい!」と思わせてくれる、それはそれは素敵な企画なのだ。

今回は、『夏目大さんとゆく江ノ島~鎌倉編』。翻訳家夏目大先生のご案内で、一日楽しく鎌倉を散策しました。

朝からあいにくの雨だったけど、午後になればきっと雨はやむだろうという願いとともに、予定通り決行されることに。

集合場所である江ノ島までは、私の住居から約2時間半。小旅行気分で十分余裕を持って家を出た、はずだったのですが・・・、
 
思いがけない電車の遅延。それは約5分足らずのものだったのに、次に予定していた特別急行に乗り遅れて調子をくずし、最終的には30分以上遅れて集合場所の片瀬江ノ島駅に到着(遅刻して申し訳ありませんでした)。

天候の具合により江ノ島散歩の計画を変更してすでに新江ノ島水族館に入館していたみなさまと、ようやく合流。あぁよかった~。

夏目先生おすすめの水族館、楽しかったです! 自分も水槽のなかに入っているような感覚で、海の世界を味わいつくしました。一番印象的だったのが、ゴマ粒くらいにおチビちゃんのクラゲ。名前は覚えていないけど(ごめんなさい)、そんなに小ちゃいのにしっかりと、クラゲなのです。ぷわっぷわっと体を精一杯動かして泳いでいました。

素敵なお店で昼食をとったあと、みんなで江ノ電に乗り込み、次の目的地鎌倉へ。

ゴトゴト電車に揺られていると、「これを見てもらわないと、」と、先生が突然、手をワイパーみたいにしてくもった窓ガラスをふきはじめました。

わぁ。海だぁ~~~! 

見れば、小さな江ノ電の車窓いっぱいに大きく広がる雨の日の海。

「私は方向音痴ですが、どちらの側の席にすわれば海を見ることができるのかだけは、ちゃんとわかっているんです」と、夏目先生。今度また天気のいい日に、間違えずにそちら側の席にすわってゆっくり海を眺めてみたいです。

両側に桜の木がずっとつづく参道を、傘をさし大きな水たまりをよけるためにぴょんぴょんと飛び跳ねながら進んでいく。そうしてたどりついたところは、鶴岡八幡宮。長い階段をのぼり、参拝を済ませ、くるりと振り返ってみれば、緑も美しい雨の日の落ち着いた風景が眼下に広がっていました。

*

今日もまた、「翻訳」のつながりで出会うことのできた人たちと一緒に歩き、お話できたことがとてもうれしかったです。いつも感じることは、どの方も本当に、翻訳や翻訳にかかわることが好きなのだということ。熱い思いをもっていらっしゃるということ。そして、ご趣味をはじめ日々の暮らしをとても上手に楽しまれているということ。目を向けられている世界の範囲が広く、とても豊かなものに感じられます。

私も、翻訳に関することはもちろん、もっともっと貪欲に、さまざまなものや人への出会いを求めていきたいなと思いました。世界はうんと広い。その広い世界という入れ物にも収まりきらないくらい、知りつくすことのできないさまざまなものが存在する。

翻訳者として自分の言葉を生み出すってことは――。

本物の翻訳者の方から生み出されるその言葉とはきっと、その人の持っているもの(それまで経験してきたこと。その人の生きざま)すべてなのかもしれないな(大げさかもしれませんが)。自分の目で読み、耳で聞き、話し、感じ、遊び、十分に消化された言葉であってはじめて、使いこなすことができるのだろうな。

テーブルにはマッチの大箱、静かにゆらめくキャンドルの火の光。ほどよく照明がおとされて大正ロマンの香り漂う素敵な雰囲気の喫茶店の隅っこの席からみなさまの顔を眺めながら、そんなことを考えていました。

ナッツにレーズンバターをつまみながら、おしゃれにワインを楽しむ3名の素敵な方たちに囲まれながら、ひとりお子さまみたいにプリンを食べる私(だって何も知らずに座ってしまっただんだもの・・・)。そんな大人の方たちの、味わいのあるとても素敵なお話に耳を傾けながら、そんなことを考えていたのでした。

ぐずついたお天気もまるで晴れて見えてくるみたいに、楽しく鎌倉を案内してくださった夏目先生。

水族館で、常に何十匹(百匹以上かも)もの群れをなして泳ぐイワシの大群を前に、「イワシって、ひとりじゃ泳げないんだ」とつぶやいていらっしゃった主催者、イワシさん。

手間のかかる会計係を自らひきうけて頑張ってくださったKさんとそのまわりの方々。

一緒に歩き、食事をし、楽しい時間を作りだしてくださったみなさま。

本当にありがとうございました!

○●○おまけ○●○

Teru2

(1月と同じパターンですが)

そぞろ歩きの前日につくったてるてるぼうずちゃん、桜模様のワンピース風。

大嵐にならないように頑張っていてくれたね、ありがとう。

決行されて本当によかった!

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2012年1月22日 (日)

大寒の体感ウォーキング <翻訳そぞろ歩き マハロいとうさんと行く山手線一周の旅第三弾 2012新春デトックスウォーク 田町~五反田編>

土曜日に、「翻訳そぞろ歩き」というものに参加させてもらった。これは、仕事、学習など何らかの形で翻訳にかかわっているひとたちが集まり、ただただおしゃべりしながら一緒に街を歩くという企画である。

翻訳者になることを夢見て約4年前から学習を続けている私。一昨年の秋、実務&出版翻訳者のイワシさんによってはじめられた「翻訳そぞろ歩き」に私はこれまで数回参加させていただいたのだが、そのたびに「また参加したい!」と思わせてくれる、それはそれは素敵な企画なのだ。

今回は「マハロいとうさんと行く山の手線一周の旅第三弾 2012新春デトックスウォーク 田町~五反田編」(←主催者イワシさんの楽しい開催レポートです)。上野駅から始まって今回が第3回目になる山手線一周企画、今回は田町駅からのスタートである。

午前11時。空気が冷たく小雨の降るなか、書籍編集者マハロいとうさんの先導により参加者12名、元気よく歩きだした。

田町から品川辺りにかけての坂道いろいろを発見したり、途中、お寺に寄ったりもしながらゆっくりと歩いて行く。泉岳寺辺りからは大きな国道に入り、ひたすら歩いていく。右手には車、左手には電車が頻繁に姿を見せるけれど、私たちのほかにはほとんど人が見当たらない。

これこそ、そぞろ歩きだな。この企画じゃなきゃ歩かないよな。歩くために歩くこと、気ままにそぞろ歩くっていいなぁなんて思った。

お昼ごはんは、薬膳料理のお店、「10ZEN」で。毒素排出スープや美肌スープ、薬膳カレーなど、おいしくて体に効く料理を思う存分堪能。私が注文したチキンカレーは、スパイシーながらもまろやかで、体が心地よく刺激されて元気が出ました。「暖宮茶」という、冷え改善のお茶も飲み、ぽかぽかになりました。

午後3時、まだ小雨が降り続けるなか、目標の五反田駅に無事到着! そのあと、こぢんまりとした素敵な雰囲気の喫茶店で、なごやかなひとときを過ごしました。

今回のテーマは、「新春デトックス」。

たくさん歩いてデトックス。おいしい薬膳料理を食べてデトックス。それから、たくさんお話をして、心のなかがデトックスされたように思います。あたたかい春はまだ先、と思わせるような空気も雨も冷たい一日でしたが、みなさまと肩を並べて歩くなかで、体ぽかぽか、心もぽかぽかしましたよ。

寒さを感じて身をひきしめること。薬膳料理を食べて体が喜ぶこと。人と話をしていろいろな刺激を受けたり、あたたかい気持ちになったりすること。体に、心に、たくさんのものを感じるウォークでした。

1月21日、大寒の日に、体感することがいっぱいなウォークだったと思います。

今回も、参加者の先頭に立ち、楽しいそぞろ歩きを作りだしてくださったマハロいとうさん、この会を企画し、毎回いろいろと気配りをしてくださる主催者のイワシさん、そして、一緒に歩いて楽しくおしゃべりしてくださったみなさま、本当にありがとうございました!

○●○ おまけ ○●○

Teruteru
そぞろ歩きの前日につくったてるてるちゃん。
決行されてよかった! ありがとう。

Momiji

もみじのおみやげ。

大崎付近で、私のうしろを歩いていた I さんが、「わぁ、見て見て! かわいい!」と教えてくださった、ブーツにくっついてきたもみじ一枚。

おみやげに持って帰ろう♪ と言っていたら、本当に家までちゃんとくっついたままでいてくれました。

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2011年4月 4日 (月)

桜の道をたどりながら―翻訳そぞろ歩き 桜のICUキャンパス~深大寺編

日曜日に、「翻訳そぞろ歩き」というものに参加させてもらった。これは、仕事、学習など何らかの形で翻訳にかかわっているひとたちが集まり、ただただおしゃべりしながら一緒に街を歩くという企画である。

翻訳者になることを夢見て約4年前から学習を続けている私。一昨年の秋、実務&出版翻訳者のイワシさんによってはじめられた「翻訳そぞろ歩き」に私はこれまで数回参加させていただいたのだが、そのたびに「また参加したい!」と思わせてくれる、それはそれは素敵な企画なのだ。

今回は、千鳥歩きの会 IT翻訳者Tさんと行く桜のICUキャンパス~深大寺編。参加者12名、午後1時にJR武蔵境駅を出発した。

曇り空で空気はつめたく、4月にもかかわらず冬のような寒さだ。寒い寒いとつぶやきながら、一番の目的地であるICUキャンパスに到着した。

正門から入るとすぐにたくさんの桜の木が私たちを迎えてくれた。どっしりとした太い幹。見上げればごく薄いピンク色をした小さな桜の花がちらほらと咲いている。まだぎゅっと口をつぐんだままのつぼみたちの、その濃いピンク色もまたかわいらしい。満開でいちめんが桜色というわけではなかったけれど、でも、だからこそ、ひらいている小さな花がとても愛おしく思えた。見つけてはじっと眺めてみたり、そのひとかたまりの小さな花たちにカメラのレンズをしっかりと向けてみたり。みんな、思い思いに桜を堪能する。

春の草花たちや趣のある建物を楽しみながら広々としたキャンパスを歩いていく。と、にぎやかな声が聞こえてきた。広場で追いかけっこをする子どもたちだ。そんななんでもないような光景が、どれほど自分の心をほっとさせてくれているのかということに気づく。

キャンパスを出て、清らかな水が流れる川沿いの道や飛行場周辺を進み、閑静な住宅街を抜けて最終目的地である深大寺へと向かう。そのあいだにもたくさんの桜の木に出会った。いまの時期だから、それが桜の木であることを意識することができる。いつもは「木、一般」というようなくくりでしか見ていない私。ごめんよ桜、と思う。

ほんとうに、ほっとした気持ちにさせられるそぞろ歩きだった。満開の桜のしたでわいわい楽しむお花見のしかたもわるくないけど、満開を待つ桜並木のした、咲き始めた小さな花を愛でながらしっとりと歩く、こんなお花見のしかたが私にとってはとても心地よかった。

そしてもうひとつ、みなさまからたくさんの元気をもらった。地震にかかわる話、日々の話。いろいろな気持ちを話したり聞いたりしているうちに、元気が出てきた。そして、やっぱり楽しい翻訳話。その日、2人の翻訳者さんが、私に名刺をくださった。ひとつは、そのかたの数冊の訳書のなまえが入ったもの。もうひとつは、オリジナルデザインのきれいな写真が入ったもの。嬉しくて、ぞくぞくした。いまの私にとっては、翻訳で食べていけるようになるなんてとてつもなくスペシャルなことに思えるけれど、いつかこんなふうになれるように! と、最近すこしおとなしかった翻訳魂が再び燃え上がるのを感じた。ようし、頑張ろう!!

深大寺に到着し、最後にあたたかいお蕎麦を食べていたら、心のなかもすっかりあたたまってきたことを感じた。みなさまと歩いているなかで、今日見た桜のように私のなかで少しずつ少しずつ花がひらき、いつしか満開となって心をあたためてくれていたのだと思う。

散歩の途中でチョコレートを差し入れてくださったTさんSさんI さん、いろいろな事情で実現はできなかったけれど、特大レジャーシートとワインなどをリュックにつめて持ってきてくださった主催者イワシさん。そういうあたたかい心配りをしてくださる方々の気持ちが、とてもとても嬉しかった。

楽しいお話を交えてご案内をしてくださったTさんとFさん、いろいろお世話をしてくださった主催者イワシさん、そして一緒に歩いてくださったみなさま、とても楽しかったです。本当にありがとうございました! 

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2011年2月 6日 (日)

点と点を結ぶように~「翻訳そぞろ歩き 上野~東京(もしかして有楽町)編」

土曜日に、「翻訳そぞろ歩き」というものに参加させてもらった。これは、仕事、学習など何らかの形で翻訳にかかわっているひとたちが集まり、ただただおしゃべりしながら一緒に街を歩くという企画である。

翻訳者になることを夢見て約4年前から学習を続けている私。一昨年の秋、実務&出版翻訳者のイワシさんによってはじめられた「翻訳そぞろ歩き」に私はこれまで数回参加させていただいたのだが、そのたびに「また参加したい!」と思わせてくれる、それはそれは素敵な企画なのだ。関連記事→前回(昨年11月)開催 翻訳そぞろ歩き横浜編

今回は、「歩きませ山手線 マハロいとうさんとゆく上野~東京(もしかして有楽町)編」。(←主催者イワシさんの楽しい開催レポートです!)山手線一周へのチャレンジ第一弾、である。参加者16名、書籍編集者であるマハロいとうさんの先導により、午後4時に上野駅発、ゆるゆると歩き始めた。

上野からアメ横をぬけ、御徒町、秋葉原・・・と順々に山手線の駅をつないでいく。
途中、いとうさんのおすすめスポットに立ち寄り、とても楽しい時間を過ごすことができた。

御徒町付近では、おいしいどら焼きで有名な「うさぎや」さんへ。和菓子に目がない私は、迷うことなく購入、でもひとつだけ。10個買うと10個食べてしまうからね。やわらかく炊かれたほどよい甘さのつぶあんが、しっとりとした2まいの皮で大事に包みこまれていて、とてもおいしかったです。

私にとっての今回の衝撃スポットは、なんといっても秋葉原である。絶対に自ら好んで足を運ばないであろうエリアであると実感しながらも、でもこういう世界もあるのだと、並べられている商品やらお店の看板やらに目は釘付けだ。
「秋葉原ガチャポン会館」に一歩足を踏み入れればそこはガチャポンのパラダイス。さっきまで熱い翻訳話を交わしていた方々も、棚にぎっしりと並べられたフィギュアたちにうっとりである。

*

「こうやって、点と点を結ぶように歩くこと、普段しないから面白いですね」 ゴールの東京駅が目前に迫った信号待ちの交差点で、そのとき私の隣にいた翻訳者さんがぽつりとつぶやいた。 ――ああ、そうか! そういうことなのだ。

たとえば「うさぎやへどら焼きを買いに行こう」とか、「よし、今日は秋葉原ガチャポン会館へ行くぞ!」と思ったら、最寄り駅(御徒町駅や秋葉原駅)で電車を降りてそこへ直行するであろう。そうして目的を済ませ、心は満足、それで終わり。これが、点だけを楽しむやりかたである。

でも、今回のような街歩きはそれとは違う。点ではなく、線を楽しむやりかただ。

街歩きの面白みとは、点と点を結ぶ線を自由に描いていけるところ、そして、その線の上に横たわる街を存分に味わえるところにあるのではないだろうか。その街の日常を自由に感じ取ったり、風景を自由に切り取ったりすることを街歩きは可能にしてくれる。点と点のあいだにある街の生きざまを肌で感じ取ることができる。
活気あるアメ横のざわめき。電気街とさまざまなカルチャーの個性が生きる秋葉原。つい立ち寄りたくなる飲み屋さんが立ち並ぶ神田周辺。その街の日常が、その街を行き交う人々の日常が見えるような気がしてくる。電車の窓から眺めていただけだった風景のなかに入り込むことができて、嬉しかった。

終点の、いとうさんおすすめ「ごはんCafe」では、とてもおいしい定食&日本酒につられて、翻訳話にそれまた大きな花が咲きました。翻訳への取り組み方やそのなかで見えてきたもののお話や、学習する中で徐々に変化する翻訳への思い、などなど、情熱あふれるみなさまの熱いトークに、私はたくさんの力をいただきました。

毎回ながら、本当に、たくさんの方々と出会ってお話できることがとても嬉しい。

そぞろ歩き隊の先頭に立ち、街の素敵な表情をたくさん教えてくださったマハロいとうさん、毎回この会を企画し、参加者が楽しめるようにと細やかな心配りをしてくださるイワシさん、そして、一緒に歩いて楽しいトークをしてくださったみなさま、本当にありがとうございました!

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2010年11月23日 (火)

並んであるく、輪になってすわる(翻訳そぞろ歩き横浜編)

日曜日に、「翻訳そぞろ歩き」というものに参加させてもらった。これは、仕事、学習など何らかの形で翻訳にかかわっているひとたちが集まり、ただただおしゃべりしながら一緒に街を歩くという企画である。

翻訳者になることを夢見て約3年半前から学習を続けている私。ちょうど1年前の秋、実務&出版翻訳者のiwashiさんによってはじめられた「翻訳そぞろ歩き」に私はこれまで数回参加させていただいたのだが、そのたびに「また参加したい!」と思わせてくれる、それはそれは素敵な企画なのだ。

今回は、私も以前翻訳学校でお世話になっていた「夏目先生と歩く横浜編」。横浜にお住まいの先生のご案内にしたがい、総勢27人でゆったりと街歩きを楽しんだ。

夏目先生がいつも歩いていらっしゃる散歩道や公園――きらきらと輝くイチョウ並木も、洋館が立ち並ぶ落ち着いた街並みも、そしていつもの場所でちゃんと待っていてくれた猫の小次郎に出会えたことも、どれも素敵で私の心をときめかせてくれた。氷川丸の上から見渡せる空や、港の丘公園から眺められる広々とした景色。そして、美しい姿で羽ばたくカモメたちを見ているうちに、私の心は解き放たれ、思わず私も羽ばたいていきたいような気持ちさせられた。

*素敵なお写真がいっぱい! 夏目先生のページ、横浜翻訳生活「翻訳そぞろ歩き-横浜編」です。先生、ありがとうございました。

*そして、横浜の街、こんなふうに歩いてきました! そぞろ歩きの楽しい記録。主催者iwashiさんのページ、翻訳そぞろ歩き「夏目大さんと行く横浜編開催レポート」です。iwashiさん、ありがとうございました!

ところで、この27名様、仕事のつながりや翻訳学校のクラスメイト、そのほかですでに顔なじみの方々もいらっしゃったのだが、大半の方同士は初対面である。もともと緊張しやすい私、こういう場ではやはりとてもドキドキしてしまう。

ところがこの「翻訳そぞろ歩き」で歩き始めると、不思議なことに、私の緊張は瞬く間に解かれていくのだ。なぜだろう――。その秘密はきっと、「並んであるく」ところにあるのではないかと思う。たとえば、初対面の2人が、部屋の中に用意された向かい合わせの椅子に座っておしゃべりしましょう、という設定だったとしたら。・・・リラックスするのに努力と時間が必要になりそうだ。少しばかりの沈黙に焦り、どうにか会話をつづけなければというプレッシャーさえ感じてしまうのかもしれない。けれど、「翻訳そぞろ歩き」のように素敵な散歩道を並んで歩いていると、会話がみるみるふくらんでいく。解放された空の下、肩を並べ同じ方向を見て歩いていると、いつのまにか歩調がそろいそして呼吸のはやさまでもがそろい、会話のリズムが生まれてくる。目に映る風景や街並みを美しいと思う気持ちや、食事をともにしておいしいと感じる気持ちなど、同じ気持ちを味わうことでまたいっそう、やわらかであたたかい親近感のようなものがわき起こってくるのかもしれない。

そうそう、それまた楽しみなお食事は、夏目先生おすすめの中華料理のお店で! 円卓をまわして大皿の料理をとりわけながらのなごやかなひととき。「輪になってすわる」・・・ああ、いいものだ。みなさまのお顔が見え、なんだかウキウキ。円卓をまわすのも楽しい。向かいの人がいままさに取り分けている最中に、こちらからこっそり動かしてみる。すると「あー! 料理、待ってー!」 となり、笑いがわきおこったりしてまた楽しい(←いじわる)。まるい机は、心までまるく穏やかな気持ちにさせてくれるみたい。

翻訳そぞろ歩き。何よりもまず、「翻訳」というつながりで出会った方々と、翻訳のことを思う存分お話できるということ(修行中の身であるわたくしに、いろいろ教えてくださる本物の翻訳者さんや翻訳にかかわるお仕事をしていらっしゃる方々、本当にありがとうございます。私と同じように学習中の方々、私ももっと頑張ろう! って思わせていただいています)。そして、そのような自然な交流を生み出してくれているのが、ゆるゆるとした素敵な街歩きであること。そもそも、この企画を生み出したiwashiさんのお人柄が、そのままこの会のあたたかい雰囲気にあらわれているのではないかと思う。

「この『翻訳そぞろ歩き』も、20年、30年後にはきっと『老人の会』となっていることでしょう(笑)」(iwashiさんより)。・・・でも本当に、いつまでも、こんなふうにおしゃべりしながら並んで歩けたらとても素敵だと思います。iwashiさん、これからもずっと、よろしくお願いします!

横浜編、とっても楽しかったです! 

夏目先生、iwashiさん、そして一緒に並んで歩いてくださったみなさま、本当にありがとうございました!

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